卒業。

仕事も音楽活動もすべて辞めて単身、カナダへ渡った2011年の春。

18ヶ月の滞在を終え、友人や家族が恋しくて、日本での音楽生活恋しくて、日本食が恋しくて、わくわくして久しぶりの帰国をしたのが、2012年の秋。

帰って来た時は、貯金もすっからかんで、仕事も辞めたまま、演奏活動もボチボチの開始で、これからの事に何も確かな物なんて無かったのに、何故かなんとなると思っていた頃。

近くを通った時に『おしゃれでキレイなところやな〜』と思っていた世界でもトップクラスの高級ホテルセントレジスで、ご縁あって、単発の演奏で伺いました。

お仕事では長年、数えきれないほどのホテルを訪れてきたけれど、セントレジスバーを初めて訪れた時は『やっぱりおしゃれで、キレイ!素敵♡』とワクワクしたのを昨日の事のように憶えています。

そこでまさかの『ハウスシンガー』と言うオファーを受けて、最初は正直、週6日も歌っていけるのか自信が無くて、考えさせてもらっていると、『初めてみて無理そうならまた考えましょう。』という風に言って頂いて、2013年2月よりハウスシンガーとして歌わせて頂く事になりました。

バックグラウンドミュージック(BGM)という立場でライブ演奏をお届けする事にボリュームや雰囲気、選曲を自分なりに工夫しましたが、とても難しかったです。でも、カップルの方が多くいらっしゃる時は、ロマンチックな雰囲気で、団体の方が多い時、ワイワイしている時には、逆にボリュームも抑えてでもスイングで活気ある雰囲気でなど、なんだかそんな自分なりの演奏の仕方で、楽しませてもらっていました。

世界中からのお客様がいらっしゃるセントレジス。私の英語はまだまだ完璧にはほど遠いですが、カナダへ行く前では想像できないくらいコミュニケーションもとれ、セントレジスへ来るたびにバーへ訪れて、尋ねて来てくださる方々との再会を喜べることで、なんだか、カナダを経験した私に頂けたチャンスに、感慨深いものがありました。

セントレジスのスタッフの方々は本当に優しくて、良くして下さいました。
バーでは、笑顔で、丁寧なサービスをされるスタッフさんと本当に機嫌良くお仕事ご一緒にさせていただきました。来られたお客様にもスタッフさんのお褒めの言葉が嬉しかったです。バー以外でも、レストランの方々、ゲストサービス、レセプション、クリーニング、ハウスキーピングの方々も、直接あまりお話する機会が無くても、少しの合間に嬉しい言葉をさりげなくかけて頂いた事、数えきれないほどたくさんありました。何よりも嬉しかったです。

演奏では沢山のミュージシャンに支えられました。きっと今では、目をつむっても誰がピアノを引いているのか当てられる自信があります。笑
こんなに密にデュオができて、アドバイスも頂き、勉強もたくさんさせていただきました。ボーカルの皆さんにも急にお願いをする事もあったのに、快く引き受けて下さって、助けていただきました。感謝です。

他での演奏のオファーをお受けする事が出来なかった時や、孤独を感じたり、他にも複雑な思いを持つ事もありましたが、3ヶ月で終了するかもしれないと言われていたこのポストで2年半もの間、させて頂けたのは、こんな私を信用して好きに、楽しく演奏させていただいたからこそです。ほんとうに楽しい幸せな2年半でした。

引き止めてくださったお客様やスタッフの方々、感謝しています。自分でもずいぶん悩みましたし、正直不安もあって、まだまだ寂しさもありますが、卒業を決めれた事、自分なりに誇らしく思っています。これを後悔ではなく先でもそう思えるように、これからの新しいスタート、成長して行けるように頑張りますので、応援して頂けると嬉しいです。

2015/6/30(火)最後のセントレジスでも沢山の方がかけつけてくださりました。お花もたくさん。お越しになれない中のメールも沢山いたきました。スタッフの方からのメールも、演奏後のサプライズでスタッフ代表の山園さんの一言もとっても嬉しかったです。ほんとうに、ほんとうに、感謝です。

ゴールドの高い天井と、素敵で立派な絵を見つめながら歌った日々をわすれません。

長い間ありがとうございました!
そして、これからも宜しくお願いします。

島谷理子
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by jazzriko | 2015-07-02 01:16 | St.Regis Osaka